16. トイレットペーパーの紙はどうやって柔らかくしているのですか?

トイレットペーパーやティシュペーパーは、新聞紙やコピー用紙のような紙に比べてやわらかく、ふんわりとした肌ざわりですが、どうやって柔らかくしているのでしょうか。
それは、パルプ原料や紙の厚さの違いなどもありますが、紙の製造段階で「クレープ」や「エンボス」という加工を施していることが大きな理由です。
 
トイレットペーパーやティシュペーパーには、肌ざわりのやわらかさと、水分や汚れの拭き取りやすさを高めるために、よく見ると紙の表面に細かいしわがあります。これを「クレープ」と言います。
クレープ(crepe)は、紙の製造工程の中で、抄いた紙を乾かすドライヤーから、ジャンボロール(トイレットペーパーに加工する前段階の巨大なロール)に巻き取る工程で、紙を送るスピードと巻き取るスピードに差をつけることで作ります。昔は、新聞紙を揉んで拭いていたという話もありますが、その「揉む」ような作業を機械で行っているのです。
 
また、トイレットペーパーやキッチンタオルには紙の表面に凸凹があるものが多いですが、これを「エンボス」と言います。
エンボス(emboss)加工は、もともとは皮革や布地に凸凹模様を彫った押し型で強い圧力をかけ、浮き出した模様を作る加工方法のことです。紙の場合は、紙の表面に鉄のロールなどで凸凹を付けることで作ります。エンボス加工をすることで紙にボリュームを出し、クッション性を高め、やわらかい肌ざわりの紙を作ることができます。また、紙の凸凹に水分を蓄えることができるため、吸水性が良くなります。
エンボスはメーカーや商品によって大きさや形にさまざまなものがあり、近年ではエンボスで絵や模様を描いているものもあります。

2019.01.11

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