27. ティシュやトイレットペーパーに利用される再生紙について
ティシュやトイレットペーパーなど家庭紙に利用される再生紙は、主にオフィス等で排出されるコピー用紙など(業界では「模造-もぞう-」と言います)の産業古紙や、消費者の皆さまから回収された牛乳パックなどから作られます。
回収された原料を、紙の繊維を取り出すために大きな釜で洗濯機で洗濯をするかのように紙を洗います。その工程を3回~4回ほど行うことでインクを落とし白色に近づけます。
(この工程を省略した、無漂白のトイレットペーパーも一部で販売されています)
そうやって取り出した繊維を水の流れに乗せて表面をすくい取り、伸ばして乾かす事で紙に加工していきます。
牛乳パックは繊維の長いパルプを100%使用している上、液体を入れるという特性上ビニールでコーティングされているため、とても品質の高い再生紙原料が作れます。
原料としての牛乳パックについては、以前に「ものしり博士」で触れていますのでそちらもご参照ください。
再生紙トイレットペーパーの原料の牛乳パックについて
一方、段ボール、新聞紙、雑誌等は繊維が短いためほとんどトイレットペーパーには利用されません。これらは再度段ボールや、新聞紙等になっていきます。
(新聞古紙を原料として使用した、無漂白の茶色いトイレットペーパーもあるそうです)
近年、人口減やペーパーレス化などに伴い、家庭紙に使用できる原料の発生が減少しており、慢性的に不足しています。またトイレットペーパーは、水に流してしまうと二度と再生することができません。無駄にせず大切に使用していきたいものです。
以下、環境への負荷が小さいトイレットペーパーの選び方を列挙してみました。参考になれば幸いです。
・再生紙100%使用
・できるだけ漂白されていないもの
・ペーパーの幅が小さいもの(目安として幅110mm以下)
・1ロールあたりの長さが長いもの(2倍巻き、3倍巻きなど…輸送コストが少なくて済み、環境負荷が小さくなります)
などなど…製品パッケージ裏面表示部分を確認してみてください。