23. ティシュとトイレットペーパーの市場規模(2020年版)

なるほど!ものしり博士:紙のトリビア05.(2016年8月掲載 https://www.azfit.co.jp/1244/)に、ティシュとトイレットペーパーの2015年の市場規模を掲載いたしましたが、今回はその2020年統計から、この5年間での変化をお伝えします。
 
経済産業省統計によると、日本で販売されているティシュペーパーの2020年販売数量は40.3万トンで、販売金額は834億円。同じくトイレットペーパーの数量は109.9万トン、販売金額は1,845億円となりました。2015年と比較すると、この5年間でティシュペーパーは数量が3.9トン少なく、販売金額は2.4億円の減少。一方トイレットペーパーは数量が5.6トン増え、金額は175億円増えているということになります。
ここから計算できる1人あたりの年間消費量(販売トン数を日本の人口:1億2,575万4千人で割った数値)はティシュが2015年は3.48kgだったのに対し、2020年は3.20kgと、この5年間で0.28kg減少。トイレットペーパーは2015年が8.12kgに対し2020年が8.66kgと、この5年間で0.54kgの増加となります。
これは原燃料費の上昇等に伴い家庭紙の販売単価が少し上がったことや、2020年に発生したコロナ禍によるインバウンド需要の減少、ティシュペーパーについては人々の衛生意識の高まりからペーパーハンドタオルの使用機会が増えた(ティシュからハンドタオルへのシフトが発生した)ことや、マスクをつけるなど人々の感染予防行動が習慣化されたことで風邪やインフルエンザにかかる人が減少し「鼻をかむ」機会が減ったことなどによる結果と考えられ、トイレットペーパーについては外出の自粛や在宅勤務などの増加により、ご家庭での使用機会が増えたということではないかと考えられています。
 
既に生活に根付いており、成熟市場と言われるティシュやトイレットペーパーなどの家庭紙ですが、国内外の情勢や生活様式の変化で市場規模は変動するようです。
 
(出典:2020年経済産業省生産動態統計年報、総務省統計局人口推計・2020年9月確定値)

2021.07.07