01.マスクの歴史について教えてください     

日本でのマスクの歴史は、大正年代に始まります。当時のマスクは、真ちゅうの金網を芯に布地をフィルターとして取り付けたもので、「工場用マスク」として粉塵よけに利用されていました。このマスクが、1919(大正8)年のインフルエンザ(スペイン風邪)大流行をキッカケに、予防品として注目を集めるようになります。その後、マスクは徐々に普及し、関東大震災後、内山武商店から発売された「壽(ことぶき)マスク」が、商標登録品第1号に認定。マスクの改良も徐々にすすみ、金網をセルロイドに変えたものやフィルター部分にべッチンや皮などを使用したものが現れます。昭和に入り、インフルエンザが再び猛威をふるった1934(昭和9)年に、マスクは大流行します。以後、インフルエンザがはやるたびに、マスクの出荷量も爆発的に増加。枠のない布地だけのものが誕生したり、布地にガーゼが使われるようになるなど、マスクは次第にその形を変えていき、現在の平型マスクの形になったのが、1948(昭23)年ごろと言われています。

『出典:(一社)日衛連 103』
【用語解説】
※セルロイド・・・プラスチック素材の一種
※ベッチン・・・表面全体を毛羽立たせたもの(素材は綿)

2016.02.23

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