07.ティシュペーパーの歴史を教えてください

ティシュペーパーの誕生は、1924年にアメリカのキンバリー・クラーク社がメイク落とし用として『クリネックスティシュー』を発売したのが始まりです。第1次世界大戦中に不足した「脱脂綿」の代用品として開発された「セルコットン」の技術を活用しました。発売当初は、紙1枚1枚が折らずに箱に入っており、現在のように1枚ずつ出てくるポップアップ機能が開発されたのは5年後の1929年になってからです。
 
それまで女性たちはメイク落としに布やタオルを使っていたため、洗う手間がかかり、非衛生的になりがちでした。また、市場調査を実施したところ、ハンカチがわりに使っている消費者が多いことが分かり「使い捨ての出来るハンカチ」として広告を展開。ティシュはアメリカ人の日常生活に浸透していきました。
 
日本では、1963年10月に山陽スコット(現日本製紙クレシア)が『スコット・トイレットティシュー75m(シングル)』を発売し、翌1964年2月に「トイレットティシュー」に継ぐ製品として、日本初の箱入りティシュ『スコッティ・フェイシャルティシュー』が発売されました。同年6月には十條キンバリー(現日本製紙クレシア)からも『クリネックスティシュー』が発売されました。当初は高級化粧紙としての用途を想定していましたが、多目的に使える「アメリカ生まれの万能ハンカチ」として消費者に受け入れられ、販売量を伸ばしていきました。
 
ティシュペーパーの殆どが2枚1組なのは、強度とやわらかさを兼ね備えるために、薄い紙2枚を重ね合わせて作っているからです。紙にはざらざらな裏面とつるつるの表面があり、2枚の紙の裏面を合わせて表面を外にすることで、どちらの面でも肌触りが良くなるように工夫をしています。
 
『出典』(日本製紙クレシア㈱日本にティシューが来た日)

2017.01.06

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